アスカから提示された「大事な謎」─それは、マナツがなぜ無抵抗で殺されたのか。
マナツは絞殺された。抵抗できなかったわけではないだろう。つまり、抵抗しなかったのだ。
アスカ「自分か妹のどちらかが殺される状況で無抵抗だなんて、そんなのただ犠牲になっただけに決まっているじゃない」
アスカはそう言って、おそらくマナツがミフユに送ったであろう手紙を読んだ。
そこには、マナツがミフユに対して、自分が死ぬからこれからはマナツとして生きていてほしいという内容のものだった。
アスカ「マナツは自殺もできず、アキラに頼って自分を殺してもらおうとしたようだ。しかし、アキラがそれを拒んだ。結果として、 1 日目にオトハがマナツを殺して、 2 日目には勘違いしたウイカがミフユを殺したわけ。マナツからミフユに送った手紙には続きがあったんだ。読んでみて」
(以下は黙読してください)
大切なあなたへ
ミフユ、私の双子の妹は私の全てでした。生まれてきた日が一緒なので、死ぬ時も一緒だね、と小さい頃に約束しました。
10 年前、麓の町で暮らしている時、ミフユは遭難事故に遭いました。私の些細ないたずらが原因です。私は悲しくて、悲しくて、生きた心地がしませんでした。なので、麓町で祀られている猿神様に、ミフユを返して欲しいと願いました。
でも、ミフユは死にました。山でミフユを発見した時、野生の猿に喰い荒らされていました。私は、泣きました。自分のせいでミフユが死んでしまったことに、悲しくて、悲しくて、山からの帰り道、泣きじゃくりました。
でも、家に帰ると、ミフユがそこにいるではありませんか。私は、ミフユの死体を見たのは悪い夢かと思いました。いえ、そう思うことにしました。思い込んで、記憶にふたをして、ミフユの死をなかったことにして、ずっと誤魔化しながら生きてきました。
だけれども、イクトがこの村に来てドッペルゲンガー伝説の話をした時、私は、小さい頃のことを全て思い出してしまったのです。ミフユを思い出して、ミフユを忘れていたことに気付きました。ミフユは、私の全てだったはずなのに。
でも、聞いてください。失った日々を誤魔化していただけだとしても、あなたはミフユと同じように私に接してくれました。楽しい時も、辛い時も、悲しい時も、あなたはいつも一緒にいてくれました。あなたがいなかったらと思うと、そんな世界は考えられません。あなたは私のかけがえのない妹です。
赤井家に忍び込んで生贄の儀式が書いた古文書を読みました。生贄の儀で殺されるのは、因習に従うとミフユになります。
でも、どんな形であれ、ミフユに二度死んでほしくありません。
私が死にます。間違っても、因習の儀式で殺されないように私のフリをしてください。
────天国ではミフユと会えますように。さようなら。
マナツ